もくよう連では、自然エネルギー研究所と共同で、空気集熱式パッシブソーラー「ソーラーれん」の普及を進めています。 このソーラーの良さは、空調設備による過刺激的な温熱環境ではなく、ホドがいいことです。
人肌のあたたかさ、といったらよいのでしょうか。 太陽エネルギーを、やわらかく抱きしめる、そんな技術です。
私たち日本人は、いよいよ本気でエネルギーのことを考えないといけない時代になってきました。 脱原発をどう進めていくのか?地球温暖化対策にどう責任を果たすのか?再生可能エネルギーをどうすれば増やしていけるのか?
こうしたことを一人一人が考え、自分たちにできることをやっていかなければなりません。未来の子供たちのために、エネルギー問題を無視することはできないのです。
エネルギー問題の解決に向かって、すべての人が取り組むことができるのが「家庭での省エネルギーや省電力消費」です。
1軒の家での省エネは本当にちっぽけなものですが、それを集めてくると、相当な省エネが実現できます。
家庭で消費されるエネルギーをその用途に分けると、暖房、冷房、給湯、換気、照明、調理、家電に分類することができます。 この中でも暖房、冷房、給湯、換気、照明の5つに関して省エネルギーのことに配慮することで大幅な省エネができるようになります。つまり、新築やリフォームは自分の家の省エネ化を進める大きなチャンスというわけです。
熱は太陽からもらえる
テレビやパソコンを動かすには電気を使うしかありません。しかし、暖房に必要な熱は電気やガスなどを使わずに得ることができます。その熱源は太陽です。
空気集熱式ソーラーシステム
太陽から得られる熱エネルギーは相当に大きく、うまく使えば家1軒分くらいの暖房は十分に賄えます(もちろん晴れた日ですが)。その「うまく使うシステム」が空気集熱式ソーラーシステムです。
空気集熱式ソーラーシステムの原理はとてもシンプルです。でも、そこには「熱の性質」や「心地よさ」のことが深く考えられた知恵が詰まっています。
太陽熱温水器などは太陽で得られた熱を水などの液体で運びます。空気集熱式ソーラーシステムは、熱を空気で運ぶことにより、水漏れや配管の劣化などのトラブルの危険性がありません。
床下に送られた熱の一部は室内に向かい、その残りは基礎コンクリートに蓄熱されます。蓄熱された分の熱は、室温が下がってくる夜に“自然に”室内に出てきます。
「床暖房」という言葉は誰もが知っていても「床下暖房」という言葉はほとんど知られていないと思います。床下暖房というのは、床下を暖めることで、間接的に床暖房するような暖房の方法です。
一般的な蓄熱は、効果的に蓄熱させるには相当量の蓄熱体が必要になり、床材などが制限されます。一方、空気集熱式ソーラーシステムは、住宅建築に不可欠な基礎コンクリートを蓄熱体として使うという発想なので、非常に合理的です。
床などを蓄熱体にすれば、夏に室内に入ってきた日射熱を蓄熱してしまい、夜になっても室温が下がらなくなる危険性があります。基礎コンクリートを蓄熱体にする方法はその心配がありません。
夏の晴れた夜は「放射冷却」という現象が起き、屋根の温度が相当に低下します。
その現象を利用して、冬とは逆に冷たい熱を床下に送り込みます。