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代表・岸本 洋介インタビュー
(株)住暮楽

——住暮楽のことと岸本社長のこれまでについて教えてください。

住暮楽は2000年、僕が大学3年生の時に父が創業した会社です。
元々父の実家が不動産業を営んでいたんですが、バブルが弾けて大きな借金が出来たというのでサラリーマンだった父も立て直しを手伝うことになりまして、その時に建売を沢山やって面白いなと思っていたらしいんですね。
それでなんとか借金が返せた時点で、自分で工務店をやってみようということで立ち上げたそうです。

僕自身は父は無垢の木のいい家をつくってるなと思っていましたが、同志社大学を卒業して2001年に工場で使うロボットを作っている会社に就職しました。
海外展開していた会社だったので海外に行けるというのが魅力でしたね。
本当はハウスメーカーからも内定をもらっていたんですが、父からはこんな不安定な仕事はやめとけと言われて(笑)

(株)住暮楽
住暮楽本社。1階はカフェになっており多くの人が訪れる

それで2年くらい経ったところでマレーシアに赴任することになって、親からは赴任前に結婚しておけと言われて、清香(奥さん)はちょうどその時大学院出て高校の先生になったばかりのタイミングで仕事が楽しいので辞めるのはちょっとということで単身赴任することになりました。

マレーシアには3年くらい居たんですが子どもが出来て清香が育休が取れたので最後の1年は一緒に過ごせたんですが、育休が明けて清香と赤ちゃんが帰ってしまったところで寂しくなってしまって、会社を辞めて実家の仕事を手伝うことにしたんです。

工場のロボットの仕事はBtoBの仕事だったので仕事自体は面白いんですがお客さんに直接喜んでもらえる仕事ではないですから、それに比べると家づくりはBtoCの究極みたいなものなので、やってみたいと思ったんですよね。

それで父に相談して、それなら帰ってこいということになりました。
会社に辞めることを伝えた時は専務がわざわざ日本から説得に来てくれて、それは申し訳なく思いました。

それで会社に入ったんですが、本当に何もわかっていなくて、最初は現場監督をやったんですが大工さんに「ダウンライトって何?」って聞いた時はため息をつかれました(笑)

でもそんな感じでやっているうちにだんだん慣れてきて、建築は性に合ってると思いましたね。

僕、大学で商学部だったので簿記3級を受けたんですけど3回落ちてるんですよね(笑)
全然面白く感じなかったし、向いてなかったんやと思います。
それが二級建築士、一級建築士はどちらも一発合格で、やっぱ建築は出会うのが遅かったけど自分に向いているなと思いますね。

(株)住暮楽
住むほどに暮らすほどに楽しい家

断熱のことや結露のことは物理現象なので温熱などを学ぶと奥が深いなあと思いますし、デザインとかアートの面も奥が深いです。 そういう一つ一つを追求していくのがすごく面白いです。

すみくらに入って最初の頃は父母と自分で回している状態で仕事も多くなくて、設計事務所に営業に行ったり、解体や基礎工事も自分たちでやったりしていましたね。

家の設計も当初は設計事務所に依頼していました。

そこからだんだんリフォームを中心に自分で設計をやるようになってきて、もっときちんと設計を学びたいと思い、「秋山設計道場」に第1回から参加しました。

他の勉強会にも参加したりしてましたけど、他のところは結構ほめてもらえるんですよね。
でも秋山先生は違って、言いたいことをズバズバ言われてけなされるんです(笑)
秋山先生の設計の考え方も良かったし、はっきり言ってくれるところが良かったですね。

秋山先生に言われたことで覚えているのは、平地のプランで当時好きだったスキップフロアにしたら、「平地でわざわざスキップフロアにするな」と怒られたことですね。

やっぱり設計って独りよがりになりがちなんですよね。そういう自分勝手な設計をした時は秋山先生によく怒られました(笑)
でも怒られる言葉の中にも愛があって、そういう経験を重ねて何か自分の中に醸し出されてきたものがあったなと思います。

「間取るな(いちから間取りを考えるのではなく、完成したパーツの組み合わせでよいということ)」という秋山先生の考え方・・・完成形に達した良いものを組み合わせた方が汎用的で長く愛されるっていうのは本当にその通りだと思います。

それから、秋山先生の「80点でよい」という考え方も力がいい感じに抜ける言葉ですよね。
お施主さんの希望は資金や他の色んな要素が噛み合わずに100%は無理な場合もあるわけです。
そういう時もその中でベストを目指すというのはいいものをつくるためのすごく現実的な考え方やと思います。

それで2015年からは外部に設計を依頼するのをやめて僕がプランをやるようになりました。
2019年からは僕が社長を引き継ぎましたけど、自分としては設計がメインの仕事で社長業は副業というくらいの感覚でやっています。
それくらい設計が自分には面白くて、大切に考えています。

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京都市左京区浄土寺にある住暮楽のモデルハウス。いつも住暮楽がつくっている住まいと同様の仕様になっている

——住暮楽が目指している家づくりについて教えてください。

すみくらの仕事の根底は一言でいうと、「お客様に喜んでもらいたい」これに尽きます。
そのために高気密・高断熱・耐震というのは、長く楽しんで暮らしていくのに必要な要素と考えて、大切にしています。
あとは、「お客さんの言う通りにつくらないこと」というのも大事だと思いますね。
お客さんとの話の中から本当にその人に必要なものを見極めて、必要な要素を残し余分な部分はカットする。
そこをきっちりと行ってあげるのがプロがやるべき仕事だと思っています。

(株)住暮楽
住暮楽主催の木工イベントの様子。住み始めてからも繋がりを保ち続けることを大切にしている

——住暮楽の家づくりで売りになるのはどんなところだと思いますか。

すみくらの家は「ちょうどいい家」だと思います。

「家族の団欒がたのしい時間になる」・・・目指しているのはそんな家なのでで、材料や間取りもそこから逆算してバランスよく考えるようにしています。

材料の木はその時々で品質の良いものを選んで、国産材も輸入材もどちらも使っています。
最近は京都産の杉をよく使うようになってきて、長野産の赤松もよく使います。
輸入材だと米松やパイン材などもよく使いますね。
国産材も品質が安定したものが手に入るようになってきましたけど、米松の方が安くて強いという時もあるので、バランスを見て一番いいと思うものを使うようにしています。

それから断熱材はセルロースファイバーを採用しています。これは古紙から作られる自然素材で、性能が良いですが外注すると施工費が高くという問題があるので自社で施工してコストを抑えています。
断熱は等級6を最低水準としているんですが、これはリビングに階段を設けたいというのがまずあって、断熱が低い家だと階段をつくった時に寒くなっちゃうからっていうのも大きいです。

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住暮楽でよく提案している「SHIP」と名付けた家族で共有する書斎スペース

あと家の中に「SHIP」と呼んでいる「家族みんなで共有する書斎」を作ろうっていうのはずっと続けていて、プランの中にできるだけ入れるようにしています。
これはご飯を食べる時とかTVを見る時だけが団らんになるのではなくて、勉強したり、本を読んだり、持ち帰った仕事をしたりする時も家族を近くに感じながら過ごして欲しいっていう想いからできた場所です。
「SHIP」は、区切ったひと部屋にしないで、ダイニングやリビングの一角に設けてみんなが集いやすくするのがポイントです。

すみくらの家づくりの考え方は、鹿児島のシンケンさんと似ているなと勝手に思っています。
シンケンさんは居心地のいい空間をつくるために合理的な考えで家づくりをされている会社さんで、共感する点が多いですね。
うちの父が迫さんと考え方が近いなと思うこともよくあります。

(株)住暮楽
「地域に開かれたコミュニティスペースのある家」

——どういうお客様に来ていただきたいと思ってらっしゃいますか?

すみくらに来てくださるお客様は、普通のハウスメーカーやマンションを見て、しっくりこないというかちょっと違うなと思ってらっしゃる人がほとんどです。

そういった新建材を使った家では満足できないという方で、すみくらでの家づくりが楽しいなと思っていただける方、すみくらの考え方に共感してくださる方に来ていただきたいです。

すみくらはそうした方達のために存在している会社であると思っていますし、そうした方達に喜んでいただきたくために仕事をしていると思っています。

(株)住暮楽
現会長の岸本社長のお父さんによる「住まい教室」は住暮楽の定番イベント

——住暮楽で働いてみたいという人に伝えたいことはありますか?

すみくらは週休2日、フレックスタイム制で、年に1回リフレッシュ休暇として1週間の休暇が取れる制度も作っており、産休や育休などの休みも取りやすい環境です。
あとは、会議はなるべく減らして、風通しがよく若手が意見を言いやすい環境になるように意識しています。
ただ、大きい会社ではないので人を育てる仕組みはまだ未整備なのが正直なところで、自ら学ぶ気持ちがある人が向いていると思います。

全部教えてもらうつもりだときついかもしれませんが、やる気がある人にとっては価値観の合うお客様と楽しく仕事ができてすごくやりがいがありますし、家づくりを深く学べる会社だと思います。

(株)住暮楽
奥様の清香さんと

DATA

会社名 (株)住暮楽
所在地 〒603-8821 京都府京都市北区西賀茂柿ノ木町25
電話番号 075-495-8825
代表者 岸本洋介
WEB https://sumikura.net/
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